311いのちのわ実行委員会 大武優子(らん)
もともとこの実行委員会は、震災が起こった年の10月に「さよなら原発パレード」を行う為に各団体や脱原発を願う個人が参加して結成され、「さよなら原発実行委員会」という名称でした。私はこの委員会に「若い人たちの力を貸してほしい」と誘われて参加し、10月の集会とデモに自身が所属するバンドの出演をお願いしました。
このバンドのメンバーで、いつも震災のことや、原発への憤りなどを練習後に話していたりしたので、絶対に参加してくれるものと思っていました。ここに出演するかしないかはみんなで長く議論されたみたいです。私はそこには居ず、メンバーの1人が丁寧にメッセージをメールで送ってくれました。メールを送ってくれた彼女のお友達の家族は原発の関係企業で働いていました。その家族の生活のことを思うと、彼女にとって原発に簡単に反対は唱えられないこと。そして、反対を訴えながらとても利己的な生活をしている人たちを多く見てきたこと。反対反対と叫び、他を糾弾しながら街を練り歩くことがとても平和的な行動だとは思えないこと。これが彼女がこの集会とデモに参加できない理由でした。結局賛同できるメンバー数人が、バンドとしてではなく私の友達として参加してくれました。メールをくれた彼女のメッセージは終わった後もずっと私の胸に残っていました。
「反対と意志表示を続けることはとても大切なこと。けれど、ただ反対と訴えるだけでは多くの人の心を動かせない…
どうして原発はなくならないんだろう?誰に責任はあるのだろう?どうしたら原発はなくなるんだろう?」
もし本当に原発をなくしたいと願うならば、私にできることは何なのかな?ってずっと考えていました。